本当に4WDは雪道最強なの?
4WDの雪道走行
この写真は新潟ではないです。
今回の週末は用があって福島県南会津にいました。
福島も新潟と並んでよく行くところですが今回も雪道走行でした。
でも前回の新潟の大寒波よりは気温は高く雪は降っても湿雪ではなかったので
車体に雪が積もって下回りが凍りつくことは殆どなかったです。
スバルの4WDシステム
現在乗っている車は(見ればわかりますが・・・)
スバルの4WD車インプレッサスポーツ2.0i
前後の駆動配分は60:40ですが4つのタイヤの駆動状況やエンジントルクを
車速センサーで常時モニタリングしているので状況に応じて駆動配分を大きく変えてます。
電子制御介入も穏やかでトラクションを最大限に確保しながら挙動を安定させてくれます。
そういった制御も年々進化しているので、
この辺が4WDの中でも「スバル車が雪道に強い」ということが
言われる理由かもしれません。
雪道と4WD
では本当に4WDが雪道に一番強いシステムなのか?
今までクロカンから乗用タイプ、ミニバンの4WDと色々乗ってきました。
・ビスカスカップリンク式センターデフ式AWD
・トルクスプリット式(スタンバイ方式)
・アクティブトルクスプリット式
など方式も様々ですが、正直スバルの4WDが最高か?といえば
公道の雪道を走らせる程度では・・・
そこまでスバルが劇的に違うとは思えないのが正直な感想。
それは私が鈍感だから?
まーそう言われてしまえばそうかもですが・・・^^;
過信してしまう4WD乗り
4WDは滑りやすい路面でも4つのタイヤに分散し、
効率よく力を伝えて走れるので雪には強いと言われます。
しかし止まるのは別です!
簡単に言ってしまうと止まる為に優れた4WDなんて無いです。
雪道で一番気を使うのがブレーキになります。
そのへんは4WDだからと言っても関係ありません!
4WDはエンジンブレーキが4輪にかかるので遥かに安定して走れると
言う人もいますが、それは減速の初動に過ぎないです。
なぜなら、基本はフットブレーキでコントロールするからです。
エンジンブレーキに頼って減速ばかりしていると、視界の悪い先で
突然障害物が現れると反射的にフットブレーキは強めに踏んでしまいます。
雪道は距離感もつかみにくくなるのでエンジンブレーキに頼って
慣れてしまうと誤った判断を引き起こします。
その時の感覚のズレは常にフットブレーキでコントロールしているのと
エンジンブレーキに頼っているのとでは咄嗟のときには差が出ます。
それに電子制御に委ねることになるエンジンブレーキは楽ですがドライバーの
コントロールではないのでフットブレーキを上手に使うことが基本だと思います。
私の場合は他の車両の無いところでワザとABS効かせて感覚を掴みます。
出来れば路面によって試してみる感じで・・・
ABSがなるべく介入しないその手前でフットブレーキコントロールです。
実際に色々な車で雪道を走って来ましたが
ブレーキに関しては駆動系の差による違いは殆ど無いです。
そもそも公道の雪道で4WDだからといって
FFの限界を超えるような走行を行っているほうがおかしいからです。
(超えたことのある私は反省・・・)
そしてFFより重くなる4WDはブレーキ時に不利になることが・・・
そのへんは重い三菱のデリカなどにも乗っていたので良くわかります。
下り坂での重さは慣性の法則でズルズルと行ってしまいます。
4WDの強さ
4WDが強いのは雪道などの滑りやすい状況でトラクションを活かした駆動性能です。
ですので、雪や泥でスタックした時の脱出能力はFFとは比べ物にならないほど高いです。
しかしレースでもない一般道の走行で4WDが活きるとしたら雪の街中など
ストップ・アンド・ゴーが繰り返されるところが非常に心強いです。
スタットレスタイヤさえ履いていればFFでも雪道は十分走れます。
実際にFFの↓ステップワゴンでさんざん雪道を走ってましたが困ることは無かったです。
私の雪道の基本はFFで行けないような場所には行かないことが鉄則だと思ってます。
FFで「あーダメかな〜???」と感じたらスタックする前に素直に引き返す・・・
4WDの落とし穴はFFでは到底行けない場所に行けてしまうところです。
助かったけど苦い思い出
以前、大雪であちこちの幹線道路や高速道路が通行止で立ち往生が発生。
このままでは閉じ込められてしまうので、やむを得ず山道に入って迂回することに・・・
幹線道路や街中で立ち往生する状況ですから山道に周る人など殆どいません。
その時新車で買ったばかりのこのスバル車だったですが、
かなりキツイ上りの山道を4輪ともスリップしながらも・・・
凄いトラクション制御と登坂力で登ってしまいました。
「マジか!すげースバル車!」って登りきったことに歓喜してしまった馬鹿な私。
4WDの落とし穴
よく考えればわかることなのに・・・
急な上り坂を登れば当然、下りも急な下り坂。
その下り坂は、停車してるだけで簡単にずり落ちてしまう程の長い急坂。
戻るも進むも坂の角度も長さもほぼ状況は同じでした。
こんな大雪。対向車もいない狭い山奥の雪道。
閉じ込められて立ち往生は免れないので諦めて進む決意をしました。
案の定、そーっと坂に入っても10mも走らないうちにエンジンブレーキなんて全くダメ!
微妙なフットブレーキのコントロールすら殆ど効かず一気に滑り落ちていきます。
このままでは加速し続けて坂の終わりの崖に激突して大破は確実なので、
右に左にハンドルを振ってサイド引いてワザとスピンさせながら
雪の壁とガードレールに車をぶつけつつジグザグに降りていきました。
5回ほどぶつけながら降りてようやく長い坂は攻略。
その後も何度か遭遇しましたが、同じようにスライドさせることで下りは対処しました。
山道を抜ける頃には前後のバンバーは外れて傷だらけ。
買ったばかりの新車で苦い思い出ですが、雪山を脱出ことにホッとしました。
痛い経験ですが、これも良い教訓になりました。
ある意味4WDのいい部分と悪い部分を両方体験出来たので・・・
4WDだからこそ過信してしまい、4WDだからこそ緊急時の脱出が可能だった。
この経験以降は雪の坂道はかなり慎重に考えるようになりました。
走りやすいスバルの4WD制御
過去に4WDは色々乗ってきて雪道も結構走ってきましたが・・・
4WDは暴れだすとコントロールがかなり難しいです。
FFやFRのようにわかりやすく無いです。(ドライは特に)
そもそもカウンターをあてても、フロントも駆動するので
リアは車体の重心を支点に逆に回り、カウンターをあてた方向にすっ飛んで行きます。
カウンター方向にステアリングを操作するのはすごく難しいので
暴れだした4WDの動きを止めるのは高度なテクニックが必要です。
リアのスライドを止めるにはゼロカウンターでアクセルオンですが・・・
そうは行ってもプロドライバー出ない限り
おもいっきり暴れだした4WDを制御するのは簡単にはいかないです。
だだ、スバルの4WD制御は状況によって駆動配分を大きく変えるので
この辺がよくある4WDらしくない動きをします。
通常時はFFのようだったりときにはFRのような動きもあります。
雪道での4WDの過信は当然駄目ですが、
スバルの4WDの制御はなかなか高いものがあると思います。
スバル車で4WD+スタッドレス!
なんか雪道最強のように感じてしまいますが・・・
所詮路面と接しているのはハガキ1枚程度の接地面積のタイヤなので
私はFFで走れる範囲で十分かと思います。(↓前車のストリーム)
「じゃーなんでスバル車なんて乗ってるんだよ!」って言われそうですが。
私がスバル車を選んだのはアイサイトを使って見たかったのが理由なので(笑)
スバリストから怒られそうですが私にとっての4WDは豪華なおまけですwww
今回FRの話を全くしていませんが・・・
実はFRでもスタットレスを履いて飛ばさなければ雪道でも普通に走ります。
でも構造上、FRでの雪道走行は高度なテクニックが必要なのであえて触れてません。
FFでもアンダーが出て曲がりにくいのですが、その難しさはFRの比じゃないです。
FRで雪道を軽快に走れるとしたら『藤原拓海』くらいでしょう・・・w
結論として!雪道での4WDは走破性は最強!しかしFFのように限界がわかりにくく
過信して危険なのでトータルでは最強ではないと思います。
FFで良いかもです。
まー雪道ですから、全ての操作をソフトで滑らかにゆっくりと・・・ですねw